今回文部科学省の教育プログラム「enPiT」に参加し、1年間アプリ開発を行なったため、振り返りをします。
記事の最後の方では、これからの働き方のあり方や、その中で市場価値を高めるためにはどうすればよいかを考えました。
enPiTとは
高度IT人材を育成する産学協働の実践教育ネットワーク
「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)」は、4分野における高度IT人材の育成を目指しています。大学・企業界の協力体制のもとで推進されるリアリティの高い講義や演習など、特色あるプログラムを通じて実社会においてイノベーションを起こすことができる人材を輩出します。
enPiT2 成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成: https://www.enpit.jp/
授業の趣旨は、つまるところ「身の回りの課題を解決するアプリを作ってください!」ということです。
伝えたいこと
オンライン開発でGood Jobができたこと
僕は二度寝を克服できない人たちが集まる「ずぼらこあら」というチームで1年間開発を行なってきました。
まずはプロダクトPVをご覧ください!
興味を持たれた方は是非使ってみてください。

ずぼらこあらのプロダクト
「鬼電こあら」のLINE友達追加リンク
アプリの使い方・説明はチームリーダーの竹内くんの記事に詳しく書かれてます。
メンバーは6人いたのですが、共通の技術スタックがあまりありませんでした。しかしながら、モブプログラミングを活用することで、完成度の高いアプリが作れたのではないかと思っています。
自分のチームがどのようなプロダクトを作ったか
課題から解決方法へ
前述した通り、僕は二度寝を克服できない人たちが集まる「ずぼらこあら」というチームにいました。
そのため、起きたい時間に起きられない課題に対して「自分ごと」になり、解決方法を模索していました。
模索の結果、以下のような結論に辿り着きました。
起きたい時間に起きられない。
なぜか?
起こしてくれる人がいないから!
↓
起こしてくれる人と起きたい人をマッチングすれば問題解決?
しかしながら…
既存のモーニングコールアプリでは起こしてくれる人が少なく、マッチングしない。
↓
起きたい人が起こす側に回るようなスキームがあれば良い!
↓
チケット※を導入すればよい!
※チケット...モーニングコールの要望を投稿するにはチケットが必要で、チケットを稼ぐには、モーニングコールをして他のユーザーを起こす必要がある。
このような経緯でできたのが、先ほどお見せした「鬼電こあら」です。
プラットフォーム選定
アプリを作るにあたって、ネイティブにするか、WEBにするかの議論は重要です。
なぜなら、どのプラットフォームにするかでユーザーへの負担が大きく変わるからです。
ネイティブアプリの場合、アプリを使うためにはアプリストアからダウンロードしなければなりません。
ご自身がアプリをダウンロードする際を思い浮かべれば想像がつくと思うのですが、軽い気持ちで端末にアプリをダウンロードすることは少ないはずです。
一方で、WEBアプリの場合、ユーザーは気軽にアクセスできますが、継続的に利用してもらいたい場合、ネイティブアプリに軍配が上がります。
また、機能要件の視点からも考える必要があります。
外せない機能要件の一つに「着信通知」があります。
なぜ外せないかというと、モーニングコールがあったときに着信音がなければユーザーは電話に取ることすらできないためです。
以上を踏まえて、
- 着信通知が行える
- 継続的に利用しすいプラットフォーム
を前提にプラットフォームを検討していました。
ネイティブアプリは、80分前後の開発時間の直後に他のプログラム受講者の方にアプリを触っていただくことを考えると、現実的ではありませんでした。(他の受講者でネイティブアプリを作っているところもありましたが、やはりディストリビューションには苦労していたようです。)
WEBベースで着信通知を行う方法はないかと調べていたところ、Line OutをURLスキームで利用できることを知り、LINE内ブラウザで動作するWEBアプリ(LIFFアプリ)にすれば、通常のWEBアプリと違い、ブラウザ-LINE間の移動なくシームレスな体験を提供できることに気づいたため、LIFFを使って開発を行うことになりました。
これらの利点に加え、
- 日本語ドキュメントが充実している
- 公式から出ているスターターキットがあった
ことも採用の理由です。
※ 欠点としては電話番号を隠すことができないということがありましたが、授業内だけで使うという前提のもとであれば、利点の方が上回ると考え採用しました。
リモートワークで求められる能力
コロナ禍で企業もリモートワークに切り替える中、enPiTも同様にオンライン形式に切り替わり、さまざまな課題に直面しました。そのような状況では、どのようなコミュニケーションで問題解決をしていくかが重要でした。そこで学んだことを記していきます。
まず、オフライン/オンラインのコミュニケーションの性質を明確にします。
- オフライン
- 同期型コミュニケーション
- 空間と時間を共有
- タイムラグなし
- 同期型コミュニケーション
- オンライン
- 同期型コミュニケーション
- 時間を共有
- メディアは映像、音声、テキスト
- 通信によるタイムラグあり
- 位置関係、視線などの空間に関する情報がカットされる。
- 非同期型コミュニケーション
- メディアはテキスト
- 表情や態度など言語以外の付加情報がカットされる。
- 同期型コミュニケーション
これらの性質をもとに、目的に応じて適切なコミュニケーションを選択する必要があります。
行うこと | 目的 | コミュニケーション |
進捗報告 | 事実の共有 | オンライン 非同期型コミュニケーション |
プロダクトレビュー | 事実の共有 意見の共有 感情の共有 | オフライン 同期型コミュニケーション オンライン 同期型コミュニケーション |
複数人でのディスカッション | 迅速な意見交換 意思決定 | オフライン 同期型コミュニケーション |
このようにして、行おうとしているコミュニケーションの目的に対して、どのような形式のコミュニケーションが最適なのか検討することがリモートワークで求められる能力と考えます。